晶平
刀鍛冶
あなたにとって「Clothing=衣服」とは、どんな存在ですか?
自分の内面の外側、時には内面を隠すもの。
あなたにとって「Contemporary Life=現代生活」とは、どんな生活ですか?
緊急事態宣言中は、おかげで、朝起きたら火を熾して作品を創る。
キリがついたらご飯を食べて、お風呂に入って、夜空を見ながら散歩して眠る。
ときどき山を降りて東京の空気を吸って、好きな人たちとだけ会って、また作品を創る。
そういう生活ができたので、そんなもので良いのではないかと…。
あなたが今考える事は、どんな事ですか?
私が作品に使うのは、とても繊細な古い鉄で、鞴(ふいご)のひと吹きで性質が変わってしまうことがある。その繊細な鉄を強く魅力的に鍛えるためには集中力と、それを支える健康はとても大切。でもそれは「いつも同じ健康状態」、もっと言えば「体調が良いのか悪いのかを考える必要の無い状態」という変化の無いことが望ましいと思っている。
毎日、鍛刀場に入る瞬間に、外であったことは忘れて、頭の中は真っ白になっているし、真っ赤な鉄を鍛える時、爆発的な集中力が必要なときが10分おきくらいにやってくるが、それまでは、むしろ何も考えず、身体だけが動いている。
何か考えているよりも、何も考えない大きな空洞を持てることが大切ではないかなあ。